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理論、観察、測定とコペルニクスに見る科学哲学 [読書]

自然には論理があり、それを明らかにするのが科学である。

コペルニクスが偉大な仕事をなしえたが、ほとんど晩年になって明らかにするという手段をとった。
何も秘密にしなくてもよいと思うのは、当時の状況を知らなさ過ぎる。
科学は宗教という力と戦い、論理という説得力を持って、普及に努めたのです。
そう思うと改めて科学の力強さを感じる。

さて、小学校の夏休みの自由研究はどのような考え方で行いますか?
大抵は、先ず、何が起こったか、何が起こっているかを観察しなさい。
そこには「なぜそうなるか」考えなさい。
再現する事柄から何か一般的なことを引き出しなさい。
その法則を応用して類似したことで予想しなさい。
平和な研究はそれで済むでしょうね。

現象の観察、言葉は単純ですが、何を診たら良いのか分かりません。
どこを見たら良いのか分かりません。これが集中豪雨なら、もっと真剣になります。
天気図を時間ごとに観察します。温度、湿度の変化を見ます。空を見ましょう。
風が、温度が、どの方向からどれくらい強く吹いていますか。温度湿度はどれほどでしょう。
動物の鳴く声が聞こえますか。これだけデータを集めても何も出てきません。
過去の例を引き出してきましょう。よく似たものがありますか?
ない。予測ができなくては科学も何もあったものでない。
取って置きの言葉 「異常気象」が出てきます。
これなら、鳥の鳴く声が騒がしい、クモが巣から葉の裏に移動した、
これらが理由をもって気象予報をする方が正確です。

何が言いたいか? 科学はデータを集めるだけではない。
過去の規則性から予想することでもない。などを知って欲しいことです。

コペルニクスの壮大な計画は、データ集めではなく、人が驚く結論を持っていることです。
宇宙の中で地球という存在を知った彼はその造詣を美と感じたのでしょう。

コペルニクスが天体の構成に美を感じたことを取り上げて、T.クーンは「趣味の世界」といった。
これに対して、内井惣七さんは、クーンがコペルニクスの著書を最後まで読まなかったために
究極の世界を取り違えた批判している。内井さんの「科学哲学入門」を半分読んだ時点であるが、
この評価は正しい。
パラダイムシフトを提唱したクーンについては後ほど登場する。

【追記】090824
July 14th, 2009 コペルニクス関係の名前に因んだ元素の発見がIUPACによって認められた。元素名 コペルニシウム(多分、英語の発音から片仮名はこのように決められるであろう) 原子番号112、水素の277倍の質量数を持つ。元素記号はCpである。(追記100219に示すようにCnとなった。) なお、最初の発見の研究グループ長Sigurd Hofmannはこれに同意した。また、原子番号111はレントゲニウム、Rgである。因みに、このドイツの研究所GSIチームでは107-111の元素も発見している。element 107, bohrium (物理学者ニールス・ボアの名から、Bh); element 108, hassium (発見研究場所のラテン名hassiaから、Hs); element 109, meitnerium (物理学者リーゼ・マイトナーの名から、Mt); element 110, darmstadtium (発見の場所(市)Darmstadtの名から、Ds);element 111, roentgenium (物理学者ウィルヘルム・コンラッド・レントゲンの名から、Rg)

【追記】100219
本日、IUPACはコペルニシウムの元素記号をCpではなくCnとすることを決めた。Cpは以前Luの代わりに使われていたり、シクロペンタジエンを表す記号として使われているため、混乱を避ける必要があった。1473年2月19日はコペルニクスの誕生日です。IUPACはこの日に因んで正式発表をした。

【追記】100226
本日、日本化学会より正式に片仮名の名称をコペルニシウムとすることの連絡があった。新元素の名前が決まるまで、こんなに長い道程があるとは驚きである。発見者の権利であるが、IUPACが認めるかどうか、に始まり、片仮名を日本化学会が決めるまでの間である。お目にかかれる元素ではないので、形式や統一だけの決まりが残るだけである。この点新種の生物の方が実物が見られるので迫力が違う。

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sisi6ヒロキ

初 見参です

私は九洲筑後の国 吉井 うきは の産です

貴方の哲学は難しいですね。

私も勉強したいです。

by sisi6ヒロキ (2009-09-25 19:59) 

ぼんぼちぼちぼち

大変興味深く 最初から読ませていただきやした。
しばしば訪問させていただきたく思いやす。
by ぼんぼちぼちぼち (2009-10-29 21:20) 

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